紫式部と藤原道長の男女関係について、真相は?

よく紫式部藤原道長が、男女の関係だったという記事を各所で目にする。実際ところ、結論から言えば、可能性がないとは言えないけど、そうだったという証拠は一切ない。この手の話は、いつの時代の人間も興味がつきないようで、断片的な情報から好き勝手なことを言ってるだけというのが、実のところだ。

 

そもそも、この二人が、そのような関係にあるという話が出てくるかと言えば、紫式部が日記で書いている、夜這いに来た人が居たけど戸を開けなかったら、その人が翌日、「私は泣きながらあなたの部屋の戸を叩きまくってた」との歌を贈ってきたので、丁重にお断りしたというエピソードに由来する。しかし、これ、誰だったのかは紫式部自身は明かしていないので、道長だったのかもしれないが、違う人だった可能性も大いにあり得る。ただ、直前に道長が「源氏物語の作者なら、もてるでしょ?」みたいなことを歌で言ってきたという話が書かれていることから、後世の人は夜這いも道長と考えて思いを巡らしているというのが実情。そうと言えば、そうなのかもしれないけど、証拠はないよね・・・・・・・。

 

ただ、証拠がないから想像するのが楽しい。紫式部が日記で、後世の人間に見られることを意識して謎を残した訳ではないだろうが、そんな注目記事を書けてしまうのは、さすがは当代一流の女流作家と言ったところか?個人的には、道長であれば道長だと書いていそうなものだし、仮に道長だったとしても、「モテるだろ?」のパワハラ発言同様、ふざけて戸を叩いたんじゃないかという気がするが、これも単なる想像。素人・玄人関係なく、各人が楽しんで自説を唱えればいい話題だと思う。